同じ自動車メーカーつながりということで。
いまGM社はリコールやリコール隠しなどで問題になっています。
同じアメリカ市場において、トヨタは技術的な部分でイチャモンを付けられて糾弾されましたが、結果、欠陥は見出されなかったにも関わらず莫大な和解金(12億ドルという途方もない金額)を課されています。
ところが今問題になっているGM社のリコール隠しは、技術的な問題点を把握しながらも10年以上隠蔽したようであり、その欠陥が原因で13名が死亡したとしていて(実際はその何倍もいるとの調査もある)、その隠蔽体質の悪質さが問題視されています。
ご存知のようにGM社は、2009年に日本円にして約16兆円という巨額負債を抱えて経営破綻しており、今現在はアメリカ政府とカナダ政府が株式を保有するある意味で公的企業となっています。にも関わらずリコール隠しを続けていたということで、問題はさらに大規模化しています。
GM社の設立ホロスコープを見ると、トヨタと同じく水星(天秤座)・土星(牡羊座)のオポジションがあります。
トヨタの稿でも述べたように、これは職人的・技術的なアスペクトで、自動車に関わらずモノづくりメーカーにとっては欲しいアスペクトの一つであります。
水星は知識・技能・技術を表わす天体で、それが土星というムダや遊びを省いて安定させる天体と結びつくことにより、職人的な気質というものを生み出します。
ただこのGM社のそれは、蟹座の海王星と山羊座の天王星によってグランドクロスになっていて、これらの要素の影響を受けるわけです。
しかしこのグランドクロス自体は活動サイン同士のものであり、意味としてはいろいろな観点から考察がなされるということでもありますので、会社として特に欠点であるとは思いません。
問題はこのグランドクロスが土星・海王星を含んでいて、技術を意味する水星が、安定の土星とそれをウヤムヤにする海王星との間で揺れてしまうことです。つまり水星は土星の生真面目さ愚直さを目指しますが、海王星は時々それをなし崩してしまうということです。
もちろんメーカー自身は意図してそれをするようなことはないと思いますが、土星の安定性・信頼性を破壊してしまうような配置は、自動車のような人間の命を預かるメカニクスのメーカーのホロスコープとしては少々危ういアキレス腱を持っていると言わざるをえません。
そしてこの土星・海王星を含むグランドクロスに、いまトランジットのカーディナルスクエアが完全に乗っかって影響を及ぼしているのが、今回の問題点が露出されて大きな問題に発展している要因だろうと思います。
この天王星・冥王星の成すカーディナルスクエアについては、80年以上前にも蟹座と牡羊座で起こっておりますが、その際にもGM社はスキャンダルを起こしているようです。
もう一つこのホロスコープの問題点は、太陽です。
この太陽は乙女座で、近くに火星があります。それ自体は実務力を目指すという意味であって何ら問題ありません。
問題なのは双子座の冥王星とスクエアになっていることです。
冥王星スクエアは太陽の目指す方向性を強制力でへし折ってしまうので、挫折や強制方向転換という意味になります。
実際にGM社は、トランジットの冥王星が射手座にあった頃、つまり太陽・冥王星・トランジット冥王星のTスクエアになった時期に経営危機を迎え、結果上に書いたように破綻しているのです。
もしGM社が今の危機を乗り越えて企業を維持できたとして、名門復活は冥王星がもっと進んで山羊座の後半に近くなってからだろうと思われます。
冥王星トラインは修復ですから。
おわり