ミズーリ州の黒人青年射殺を発端に、ニューヨークの黒人絞殺、アリゾナの黒人射殺、と次々と同種の問題の連鎖があとを絶ちません。
また日本人選手も所属している、あるメジャーリーグの人気チームのホーム球場では、いつ見てもスタンドの観客に黒人がほとんどいません。よく日本でもTV中継されるチームなので、気付いている人もいるかもしれませんが、多民族国家としてはある意味異様な光景です。
選手として黒人が大活躍しているスポーツの世界でも、こういった現状なわけです。
こうした差別問題も含め、あらためてアメリカのホロスコープを確認してみます。
アメリカ国家のホロスコープは、太陽が蟹座13度にあって、天秤座14度の土星とスクエアです。
蟹座は民族意識でもありますから、どうしても人種差別や反対勢力に対する排他性というものが国家の特質としてあるということになります。例えばアメリカが、反骨分子としてみなした国や民族を、戦争を仕掛けてでも率先して淘汰しようとするのは、この蟹座の太陽のためです。
1960年に端を発したベトナム戦争当時、トランジットの冥王星は乙女座にあり、アメリカの太陽とはセクスタイルというイージーなアスペクトでした。当時アメリカは、北ベトナムはすぐにでも降伏する、とタカをくくっていたようです。
ところが予想に反して戦争は長期化し、1970年代に入り冥王星が天秤座に移ると、とたんにアメリカの太陽とはスクエアの関係になり、結果的に建国時の土星とトランジット冥王星との太陽vs.土星冥王星スクエア関係になり、アメリカは多大な犠牲を払ったベトナム戦争に敗北したのです。
この例に漏れず、アメリカは反勢力を叩いてきた歴史があります。
それこそが蟹座の同族意識と排他性に他なりません。
それに対して天秤座の土星というのは公平意識であり、蟹座の同族意識とは敵対関係になります。つまり蟹座vs.天秤座のスクエアがあるアメリカのホロスコープは、人種差別などの問題が起こるエネルギーをもともと持っていると言えます。
我々のような他国の人間からすれば、人種差別なんてとっくの昔に無くなったんじゃないの?そう習ったし、という認識があるかもしれませんが、ところがどっこいアメリカ国家がこのホロスコープであるかぎり、それは恒久的に存在し続けるということになります。
そしてお気づきの方もいると思いますが、いまこの太陽・土星スクエアに対して、トランジットのカーディナルスクエアが絡んで、グランドクロスになっているのです。
つまり今のタイミングだからこそ、こうした人種差別の問題がことさらに現象化し問題化し、反発が起き反乱が起きるのです。
このグランドクロスによれば、アメリカの太陽はトランジットの山羊座の冥王星とオポジションです。
これは国家が強制的な力を行使するということになり、つまり白人警官は全て不起訴なわけです。それに対して天秤座の土星と牡羊座の天王星は抵抗をし反発をしています。
公平を求める天秤座の土星は、牡羊座の天王星とオポジションになることによって、新たな改革を求めてアクションをするのです。これが大規模なデモとなって現象化したわけです。
それにしても、ニューヨークで数人の白人警官がよってたかって黒人を抑えこんでチョークスリーパーで苦しめている映像、実にショッキングです。警官たちにとっては正統な職務の遂行だったのかもしれませんが。
あの後黒人は病院で帰らぬ人となりました。なんでも、その黒人はただケンカを止めていたただけだった、という。
彼はぜん息を患っていたそうです。
苦しそうに叫ぶ「I can’t breathe!」が耳から離れません。
合掌