来たる3/20で、地下鉄サリン事件からちょうど20年という節目的なタイミングであり、日本でも起こり得た未曾有のテロ事件を、風化させてはならないという意味での特別番組だったのでしょうが、この手の番組によくありがちな「これまでの一連のオウム真理教の事件史を振り返る」的な、焼き直し企画とは一線を画しているもので、ちょっと驚きましたし、同時に「テレ東そくぞやった」と思わせるほど濃いものでした。
番組では次々とメディアで公開されていない新事実が明らかにされていったのですが、中でも平田信・高橋克也・菊地直子らが長期逃亡していたのは、他でもない麻原自身の指示だったこと、オウム真理教解体後に新たに後継団体を発足させ、そして「アレフ」というネーミングさえ麻原が指定していたこと、自分の後継者に長男と次男を指名したこと、などが次々と極秘資料から明るみになり、そしてそれらは驚くべきことに、全て獄中から何らかの方法で外部に指示されていたことが明かされていきました。(これらはすでに麻原四女が著書で暴露していたようですが)
すなわち、麻原イズムは根絶されるどころか、現在も継承され続けており、我々の知らないところで脈々と息づいているばかりか、信じられないことに信者人数が年々増えつつあるというのです。番組によれば、後継団体「アレフ」に、毎年100~200人が入信しており、その6割以上が35歳未満の若者だということです。(公安のデータ)
また現在麻原が収監されている東京拘置所の周りを、信者たちがマスクをしてブツブツ何かをつぶやきながら歩きまわっていて、それは麻原からエネルギーをもらうための行為だという映像が映し出されました。さらに、最近20歳を迎えた麻原の次男の誕生日パーティー会場に、続々と若い女性信者が入っていく模様も紹介されたのです。
出演した関係者も、当時の幹部であった「あ~言えば上祐」の上祐史浩氏、オウム解散後の後継団体の代表だった村岡達子氏、麻原彰晃の実娘(四女=現在は一般人)、そして地下鉄サリン実行犯で死刑囚の新実智光と獄中結婚した実妻(顔出し)らが、それぞれ独自インタビューに答えていました。このメンツからしても、よく出演を承諾したなといわんばかりのそうそうたる顔ぶれですが、少なくともこれらの人たちから麻原及びオウムを擁護するような発言はなかったのが安堵といえば安堵しました。(村岡氏のみ、ある部分未だ麻原に傾倒している部分が垣間見えましたが)
ただ、現在も後遺症に悩まされ、健常な人間として生きていくことを断念せざるを得ない被害者は相変わらず存在します。そしてその家族は生涯苦しみと闘い続けているし、もちろん犠牲者のご遺族含め、みなさんの苦悩は尽きることがないということなどを思い知らされ、この問題の持つ底深さをあらためて感じた次第です。
この番組の内容は、おそらくテレ東だからこそ可能だったろう(逆にテレ東でなければできなかった)と思わせます。
構成としても、変な訳知りコメンテーターや、オウムに縁もゆかりもない芸能人たちが一切出演すること無く、また民放キー局にありがちな「行き過ぎ」な脚色・演出・視聴者誘導も皆無で、スタジオ進行はテレ東の大橋未歩アナ単独のみ、そして大半はナレーションにて構成され、ただただ資料・証言に基づく事実のみを淡々と報道するというスタイルで、シンプルでガチなノンフィクションドキュメンタリーとして、個人的に見始めこそ上記の先入観はあったものの、すぐにそれは改められ、結局最後まで食い入るように見入ってしまいました。
あらためてテレ東の番組公式サイトを見ると、全国放送ではなかったんですかね?
こういうコンテンツは全国ネットで放映するべきでは?と思いますが・・・
wikiによれば、オウム真理教は1989年8月29日に宗教法人として東京都に認証されています。
これを公式な設立図として見ると、
この時代は山羊座の初期に天王星・土星・海王星が集まっている特殊な時代でした。
土星を過去に作られた現実社会とするならば、天王星は未来として土星にぶつかり、そして海王星は闇の部分として土星にぶつかっている時代と言えます。それらの現実打破エネルギーが、山羊座のひと桁度数に集まっているということは、ことさら野心的で行動的な性質を持つことになると言えます。
おそらく個人としてこの時代に生まれた人の中からも、いい意味にせよ悪い意味にせよ、今後なんらかの形で既存の価値観をぶち壊す個性が現れてくるでしょう。ただし、それはもちろんハウスや他の天体の配置によります。
オウムのホロスコープは、この現実打破エネルギーが、集団という蟹座の木星に向かってターゲット化しているので、実際に多くの人を巻き込むという形になっています。しかもこの木星は蟹座5度の「猟鳥が巣を羽で飾る」のサビアン度数なので、個人を犠牲にして集団に尽くします。
それが証拠にオウムの信者の多くが、家族や環境を捨てて出家となり、集団の超現実(既存をはるかに超える)に向かって一心不乱に活動することが、このホロスコープでわかります。
言ってみれば家族も環境も、すべて現実ですから、それを超えてしまうということです。
この当時、麻原が占星術を知っていたかどうか知る由もありませんが、なぜかオウムの未来を示唆するかのようなホロスコープになっているのは不思議な事です。しかし逆説的に言えば、このようなホロスコープだからこそ、ああいう集団になっていったと言えるのですが。
ただ、この破壊的エネルギーは、乙女座5度の太陽によって中和されています。
この太陽を見ると、多くの信者はおそらく最初、麻原のキャラに惹きよせられていったのではないかと思わせます。乙女座5度というのは「メリーゴーランド」のサビアンで、言葉や情感を大げさに表現する度数ですから、麻原は時にそうした手法によってどんどん信者を引き寄せていったのでは、と思わせるのです。それは仮に麻原自身じゃないにしても、教団の出版物とか広告とか、勧誘文句などがそうかもしれないですが、いずれにしてもこの太陽は、裏にある過激な思想を見せなくしている役目を持っています。
ただし、やはりこの集団にウラの顔があるというのは、月の状態を見ればわかります。
この月は蠍座の冥王星によって侵食されています。獅子座と蠍座の争いは、自由と弾圧の争いのようなものでもありますが、明らかにこの配置は獅子座の負けです。自由は奪われるのです。
麻原自身のホロスコープにも、8ハウスに冥王星があって、これは相手との特殊な癒着というのを表しています。
上記テレ東の番組で上祐氏も証言していましたが、麻原にはおそらくサイキックな能力があったと思われます。それは8ハウスの冥王星が相手との現実を超えた癒着というのを示すからだと言えます。
ただ上祐氏によれば、その能力は間違った方向に使われていたと言っていました。(記憶が曖昧ですが)・・・そのうち機会があれば、麻原のホロスコープについても書いてみたいと思いますが。
オウムの乙女座5度の太陽は、現在のトランジットの土星・海王星スクエアにしっかりとTスクエアで巻き込まれています。
ここで再び脚光を浴びたのも、そういうことかもしれません。
おわり