というわけで、今回はどうしたってこの人の話題にならざるをえないかな、という事で、ASKA氏について書きます。
氏のホロスコープを見ると、Ascが蟹座でそのルーラーである月が10ハウスなので、本人のキャラクターがそのまま社会的な地位に結びつくという形ですが、それ以外にもアスペクトも含め、この月はこのホロスコープにとってかなり重要なポイントです。
まず、月は一般という意味があり、つまり一般ウケ=人気でもありますから、月が10ハウスの人は人気商売みたいになる場合も多くあります。
また本人が人気を得なくても、人気や流行を扱って成功するというのもありますね。
ただこの人の場合は、Ascのルーラーが月なので、おそらく本人も人気を欲したろうし、売れたいモチベーションみたいのも高かったはずですね。
で、その月は牡牛座です。
牡牛座の月は五感センスに優れ、それらを活かした人生にするといいのです。
一言で五感と言ってもいろいろありますが、感覚・味覚・触覚・聴覚・視覚・音感などで、つまり職人やアーティスト、専門職などに多いということになります。
絶対音感があったり、色彩感覚に優れていたり、味に敏感だったりというような生まれ持った感じ取る体の感覚が鋭いわけです。
それに牡牛座というのは土の固定サインですから、具体的で、それをどんどん固めていくという性質になりますから、どうしたって専門的になるわけです。
氏の場合、この月と他の天体とのアスペクトが非常に多いですから、いろいろな感情や情緒を持っていて、それを作品に投影し表現することができたのでしょう。
これはアーティストとしては大いなる資質だと思います。
芸術や創作といえば獅子座というイメージがあるかもしれませんが、獅子座のそれは一人よがりの大げさな表現で、ともすれば単なるマスターベーションです。それよりも心情の機微を作品にぶつけることができるのは、人の心を打ちます。
世界の一流のアーティストや創作家はセンシティブな人が多いけど、感情が安定している人やのほほんと生きている人に、他人の心を打つことはできないです。
「今から一緒に殴りに行こうか」は、まさにそうした心情の表現でしょう。
ただ、この人の月は多くのモヤモヤを抱えやすく、常にそれを引きずって打破できなさそうな感じですね。
月もそうですし、そもそもこのホロスコープは固定サインと柔軟サインばかりで、活動サインが火星だけです。
しかもその火星もアスペクトがなくて、ホロスコープの中に一つポツンと独立している感じですから、発揮のしどころがないでしょう。
で、今回一連の報道を読んだりしていますと、ASKA氏は90年台の爆発的なブレイク以後、人気にやや陰りが見えてきた事や海外公演の失敗などが打撃となった事がストレスになっていったと書かれています。
上の方に書いたように、本人は人気を欲しているので、ひとたび自分の人気が落ちはじめると、かなりのストレスになったでしょう。
ただそれを打破するだけのエネルギーが発揮できない、どうしていいかわからない、というようなループにハマってしまうことは割と定番的に考えられることです。
そして1998年にトランジットの海王星が水瓶座に入ります。
以後、徐々に生まれの月とトランジットの海王星がスクエアになっていき、1999年春頃には土星も月に乗っかったグランドクロスになります。
氏の月は、もともと海王星とのオポジションがあります。つまり月・海王星・海王星を含んだグランドクロスになったわけですね。
これは占星術がわかる人なら、すぐに「あ、危ねえな」とピンとくる配置です。
海王星は酒・ドラッグです。
そしてもう一つ、今のカーディナルグランドクロスは、ASKA氏のMCを巻き込んでいます。
つまり、彼の社会的立場の強制変更ということですね。
おわり