確かにメダルは獲れなかったけど、我々はそれ以上のものを感じさせてもらえました。
どれほど感動を与えてくれたことか。
素直に感動をありがとう、と言いたいです。
真央ちゃんがこれほどまでに人を惹きつけるのは、もちろん彼女の可愛らしさとか健気な姿とかがあるわけだけれども、たぶんそれだけだったら世の中にたくさんいるはずで、それこそ今回のソチに出ている選手の中にもいっぱいいたはずです。
しかし彼女にはそれ以外の何かがあるからこそ、トップスケーターたちを始めとする多くの人を魅了するのです。
「何か」とは?
思うに浅田真央選手には、繊細さというか時に危なっかしさのようなものが感じられて(変な意味でなく)、それが人を惹きつけるような気がします。某元首相に「大事なときには必ず転ぶ」といったような珍言を吐かせるのも、そうした危うさからくるものかもしれません。まあ、あの人は「失言レジェンド」という異名がありますが。
もし仮に、真央ちゃんにキム・ヨナ選手のような「ブレない強さ」みたいなものがあったとしたら、果たして人はここまで彼女に肩入れできたのでしょうか。案外「すごいねー」で終わっていたかもしれません。
おそらくですがあの繊細さのようなものがあるからこそ、日本人が、まるで真央ちゃんが自分の妹か娘であるかのように、見守ってあげたいとか応援したいとかいうような愛着をこめてしまうのではないかと思ってみたりするのです。それは極めて日本人気質的というか、判官贔屓とか忠臣蔵にも通ずるような感じというか。
今回は、その真央ちゃんの繊細さとキム・ヨナの強さについてみてみます。
知っている人はいると思いますが、実は真央ちゃんとキム・ヨナ選手は生年月日が20日しか違いません。したがって土星以降の遠い天体に違いはありません。ただ生時によって入るハウスは当然違いますが。
真央ちゃんの持つ繊細さは、言い換えれば不安定要素みたいなもので、それは彼女の月に表れます。
月は通常、その人の感情や個人そのものを表しますので、いわゆるメンタル・精神面とかはこの月が安定しているかどうかが重要なカギになります。
彼女の月は射手座にありますが、TV等でインタビューとかの受け答えを見ると、射手座っぽいなあと思わせるところを随所に感じさせます。
それはさておき、問題はその月が持つ他天体とのアスペクトです。
真央ちゃんの場合、この月にTスクエアがあるので、わりと揺れが激しいように思えます。揺れというのは文字通り、感情が揺れ動いてしまうということことになります。それは演技後に泣いてしまったりとか感情の波が溢れ出すのもその一端だと思います。
一方で、木星とのトラインがありますが、こちらは安定しています。
つまりまとめると、安定するときもあれば、揺れるときもあるといった具合で、そういうのが好不調に出やすいのではないか、ということです。
たぶん真央ちゃんは、技術面とかミスしないようにしようとかの細かい部分に拘ったり、人と競うとか期待に応えようってなった時には、メンタルが揺れるんだと思います。それがこの場合の射手座・乙女座・双子座のTスクエアのもたらす揺れです。
乙女座の水星は細かい技術の拘りとかになるし、双子座の火星は負けず嫌いとか他者との競争心とかになるわけで、そこでのシーソーゲームがあるわけなのです。
それらが微妙に身体の動きに影響してしまい、筋肉に力が入ったり心にブレーキを掛けてしまったりというような事を起こしそうな感じがしてます。
一方で、その月が獅子座の木星に向かうとき、つまり自分の好きなように演技しようとか、人の評価は気にしないとか、思いっきり表現したいとか、テンション上げていこうというような、いわゆる獅子座っぽい方向にメンタルを向けることができた時には、安定するし集中できるんだと思います。
それは火のサインの持つ特徴でもあります。
次にキム・ヨナ選手の方ですが、こちらの月は魚座です。
魚座は芸術や創作にはもってこいのサインです。ダンサーなどにこの魚座を持つ人は多いです。
それよりなにより、彼女があのように栄光をつかみとる要素を生まれながらに持っていると思うのは、満月の生まれだということが挙げられると思います。
満月、つまり15相の月の生まれというのは、強い意志を持ち自信があって、自分の夢をつかみとっていきます。強さを内に秘めているのです。
ヨナ選手のブレない強さは、この月に現れています。
しかもこの月は、乙女座12度の太陽とのオポジションです。
乙女座12度は「パワフルな政治家」というサビアンシンボルで、占星術的にも奇跡を起こす度数の一つですが、この度数も意思の強さとカリスマ性の象徴です。
これらの要素があってこそ、あの強いキム・ヨナ選手をもたらしていると思うし、韓国という国で生まれたというのも含めて納得してしまうのです。
ただ、15相にしても乙女座12度にしても、スポーツ選手としてみた場合には強くていいのですが、個人としてはちょっと強すぎるという感じかもしれないです。
これらの要素が真央ちゃんとの大きな違いかなと思います。
今回はたまたま真央ちゃんの繊細さみたいなものにクローズアップしてみましたが、だからといってそれだけであれだけ人を惹きつけるわけではないのは言うまでもありません。
人に好かれる彼女の素直さとか、普段はポワーンとした雰囲気とか、天体の持つカリスマ性などがホロスコープには現れていますが、それらについてはまたの機会があれば述べたいと思います。