いずれにせよ一刻も早く災害にあわれた地域が回復することを願っています。
さて、自動車メーカーのスズキがピンチだと報じられています。
先ごろ、2009年から始まったドイツのフォルクスワーゲン社(VW)との提携が、2012年の時点ですでに解消されていたとの司法判断が発表されました。
もともと両社の提携は、対等な関係を保つ契約だったはずが、スズキ側の言い分によればイーブンなものではなかったとして、国際仲裁裁判所に調停を依頼をしたという経緯です。しかし司法の判断はスズキ側にも契約違反があったとして、結果的には両社痛み分けのような形になりました。
この提携解消が、スズキにとって好ましくないと見られています。
というのも、VW社といえばトヨタと販売台数世界一を争うほどの巨大企業であり、言ってみれば「寄らば大樹の陰」になる。それに対してスズキ単一では、販売台数世界10位前後で規模も小さく、今後の国際競争力に影響するのではないかというのです。
それに加え、ここのところアメリカの投資会社がスズキの株式を大量に取得しているとの事実が発覚したことも、スズキにとって好ましくない事態であると懸念する声が、事態の悪化に拍車をかけています。
スズキのホロスコープから社風を読み解く
車に詳しい人からすれば「あるある」な話ですが、もともとスズキは他メーカーと連携してOEM生産をすることが多いメーカーとして知られています。つまり外見からは同じ車に見えても、エンブレムを見ると違うメーカーの車種だった、というのが何種類も販売されているのです。
こうした特徴はスズキのホロスコープに顕著に現れていて、この会社が他社との協調関係を結ぶことが、わりと容易であり上手くいくことが読み取れます。
昨今の自動車メーカーは、全て自前のリソースで開発運営し市場競争する時代はすでに過去のものになりつつあり、スズキの例に見られるように、メーカー同士が提携してお互いに技術供与し、補完しあうというのが業界の潮流のようになっていて、ひいてはそれが品質の向上と業界全体のレベルの底上げになっています。(もちろんケースケースでどちらが上とか下とかの資本関係はあるでしょうが)
例えばイタリアのランボルギーニというメーカーは、かつて品質の安定度という点では決して褒められないような、それでいて高価なスーパーカーをリリースしていましたが、1999年にドイツのアウディ社の傘下になって以降、品質が安定・向上したと、よく耳にします。
もちろん、通常の会社同士の提携の場合、お互いの主義主張がぶつかり合う事も多く、そうなるとホロスコープ同士の相性の問題になってしまうのですが、その点スズキのホロスコープは、どのような相手でも基本的にフィットしやすい性質を持っているといえます。
そもそもスズキは、1981年よりアメリカのゼネラルモーターズ (GM) 社との提携をスタートし、GM社が経営破綻する寸前まで28年間も提携関係が続いていたことから、こうした他社とのコラボには一定の安定感がある組織であり、その意味ではホロスコープを上手く生かしている経営だということがいえます。
またスズキといえば=軽自動車というイメージです。
アルト、ワゴンR、ハスラー、ジムニー、スペーシアと言ったヒット車種が粒ぞろいですが、こうした特徴もこのホロスコープに現れていると言ってよく、それはすなわち「不景気に強い」ということにもつながると思います。
その他、このホロスコープから読み取れる特徴として、遊び心もあって、なおかつカベを作らず老若男女どんなユーザーにも受け入れられる製品を生み出すということが言えます。
これらの特徴はホロスコープが導く結果ともいえ、スズキはそれに逆らわず上手く特徴を打ち出してきたに過ぎません。
危険だったVWとの提携
上記のように協調関係がすんなりとハマるホロスコープとはいえ、VW社との提携に関しては大いに問題があったと言えます。
残念ながらVW社の設立日が不明なので両社の直接の相性は分からないのですが、ハッキリしているのはスズキにとってVW社との提携は、すばりタイミングが最悪でした。
VW社とは2009年12月に提携を発表していますが、この時のトランジットを見ると、スズキにとってかなりハードな影響をもたらすトランジット配置であった事がわかります。
確かにある部分においては新たな理想のスタートという部分も示されてはいますが、その一方で取り巻く状況の厳しさが全てを物語っています。それほどめったに起こらないタイミングですが、なぜこのような時期に提携に踏み切ってしまったか、疑問に思います。
簡単に言うとこれは一方的にスズキ側がプレッシャーを受ける配置であり、事実スズキ側は、今回のVW社との提携は思ったような技術が得られないことへの不満があったとの事で、それはこの時のトランジット通りであった、という解釈ができるかと思います。
今後も厳しい状況は続く
さらにスズキにとって厳しいことに、現在のトランジットもハードな配置になっており、それが司法判断でスズキの主張が認められず不利な結果につながったと共に、ダブルパンチで上記のような投資会社による株式買い占めという混乱を誘発している根拠かと思われます。
そしてこのようなネガティブな状況がしばらく続くこととが予想され、今後うまく立ち回って対処をしないと、思わぬところで信用を失うという結果を招きかねないので注意が必要です。
というわけでこの辺で。