スペースプレース”において「黄道12星座じゃなくて13星座」と発表したことが話題になったらしい。
これが米yahooなどの大手サイトに貼られて、いい大人までもが「じゃあ私の星座はどうなっちゃうの?」と混乱を招いたとか招かないとか。
ご記憶の方も多いと思うけど、過去まったく同じことが騒がれた。だから今さら感が否めないんだけど。
ただ知らない人のために説明しておくと、黄道上の蠍座と射手座の間には「へびつかい座」というのが存在しており、だから黄道12星座じゃなくて13星座だ、という主張があった。
でここからがイミフなのだが、この黄道13星座を、どこかの学者がなぜか星占いと結びつけて「だから12星座占いじゃなくて13星座占いにすべき」などとわけのわからないことを主張した。
ただこれは占星術を全く分かってないチンプンカンプンな説ということで即座に否定され、その後その説はどこかへ消えてしまった。
それが今になってリバイバルw。
真面目な話で言うと、実際にへびつかい座というのは存在するのだけど、それは天文学上での話=つまり科学(事実)であって、占星術でいう「星座」と結びつけるのはちょっと違う。
なぜなら
占星術でいう星座(サイン)というのは、本来「獣帯」(zodiac=ゾディアック)といい、黄道360度を30度づつ12のゾーンに分けた領域のことを指していて、実際の星座のことではないのだ。つまり春分点を起点(0度)として、そこから12に等分割された領域を、星座に擬えてネーミングされたって話――日本でも昔からあるじゃん、子・丑・寅・卯・・・みたいな事。
それによく考えてみれば、実際の星座がきっちり30度づつに配置されているわけはない。そんなに大宇宙は我々に都合よく出来てない。実際は隣の星座と一部重なったりしてるし、もちろん大きさもまちまちで大きかったり小さかったり・・・ただ、大体の位置という意味では合っているが。
座じゃなくて宮
これは占星術が日本に伝わってきたとき、ゾディアックが「星座」といつの間にか語訳されてしまったのは間違いの元だったかもしれない。専門書では「12星座」と呼ばず「12宮」と呼称している書もあるが、たぶんそちらの方が本来の意味に近くて、つまり牡羊座・牡牛座・・・ではなくて白羊宮・金牛宮・・・が古来からの由緒正しい名称なのである。
近代占星術ではわかりやすく、あるいは覚えやすく単純に星座名で呼んでいるケースも多いのだが、古典占星術をきちんと勉強された方などは、こうして安易に星座名を使うことに違和感がある人もいるはず。(私ゃ気にしないけどw)
占星術でいう星座すなわち宮はむしろ数の原理であって、そのために一番目の宮である白羊宮(牡羊座)は「未経験のことにチャレンジ」というような性質付けがされているわけ。もちろん実際に羊という動物がチャレンジャーなわけはないし。(むしろおとなしい草食動物だしw)
ゆえに今回の”スペースプレース”の記事も、実際には天文学上のことが書いてあるだけで、もちろんNASAは星占いなど眼中にないはず。
おそらく記事を読んだネットユーザーが勝手に12星座占いと勘違いしただけだと思われる――その原因には「実際の黄道上の星座と占星術上の星座がイコール」という昔からの勘違いが今だに根強いからだろうだけど。
くれぐれも占星術と実際の星座とはイコールではない、ということをここで念を押しておきたい。
ちなみに巷でよく見る「星占い(笑)」(12星座占い)も、わかりやすくするために太陽だけ切り取って考えられたものだけど、ご存知のようにほとんど信頼に値しないのは、主要10天体のうち9つまでを完全無視する(残りはたった10% w)というケタ違いの無謀な簡略化をした結果(もはや簡略化でさえないがw)、占星術の大事なコアな部分をほぼ削ぎ落としてしまい、もはや当てることさえスルーした「お遊び」でしかないから、あんなものに毎朝一喜一憂するのは時間と気分のムダだと思う。
【※ホロスコープ画像はSolar Fire Ver.9を使用】